自由きままな生活で
FF11_Story_1(A×W)
【1.出会い】 Artsy×Werner
ジュノのカザム行きの飛空艇乗り場で、ヴェルナーはふと気づく。
(昨日のPTにいたな・・・)
特に挨拶をするでもなく、気づいたふりもしない。
あくまでも知らない振りをきめこんで飛空艇を待つ。
待っている間、周りの人々は知人と話込んだり、釣りをしたり、ただぼんやりしたり、様子は様々である。
そのただぼんやりしている集団の中に、ヴェルナーも含まれていた。
(暇、・・・つっても待つしかねぇんだし、しょうがねぇよな)
明らかに退屈だという顔をしつつ、すぐ後ろの壁に寄りかかる。
そうして再び先ほど気づいた相手に軽く視線を流す。流してすぐに目を伏せる。
向こうも気づいているのかどうかわからないが、自分が気づいていることに気づかれたくはない。
自分も気にしたいわけではないが、暇を持て余している状況では些細なことでも気になってしまう。
相手はヴェルナーと同じく特に何をするでもなく、桟橋に寄りかかってじっと飛空艇が到着するのを待っている。
(カザムでレベル上げだろうな・・・)
この先の行動も容易に予想がついた。
昨日同じPTを組んだ詩人だ。同じレベルで合流して、同じようにレベルが上がって、同じタイミングでPTを抜けた。
PTを抜けた後に他のPTでレベル上げをしていないのだとしたら(昨日の時間でさらに次へ、ということもまずないだろうが)昨日の今日なのだ。自分と同じくカザムでレベル上げを考えているのだろう。
(これでまた同じPTとかだったら、嫌だな・・・)
基本的に馴れ合いみたいな行動はしたくない。
1度でも同じPTで組んだヤツと2度目は組みたくないと思っているほどだ。
何故なら、人間は必ずと言っていいほど見知った顔の相手に声をかけ、挨拶をし、慣れ親しく話をしてくるからだ。
ヴェルナーはとにかく人付き合いが嫌いだった。
なるべくならPTを組みたくはないのだが、レベル上げの効率を考えたら当然PTを組む方が断然いい。
(気づいたら声かけてくるんだろうな。あー、やっぱカザム行くの辞めっかな・・・)
うーん、と心内で悩んでいる間に、海の向こうの岩陰から飛空艇が港に入ってくるのが見えた。
ヴェルナーは諦めにも似たため息を吐きつつ、今更か、と呟いた。
到着した飛空挺に乗り込むべく、壁から背を離し、他大勢の乗客と共に、飛空挺へと乗り込んだ。
